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――ジュエリーに関心を寄せるようになったきっかけは?

ヴィクトワール ドゥ カステラーヌ(以下、ヴィクトワール) 祖母のシルヴィア・ヘネシーです。彼女は服装に合わせてジュエリーを選び、一日のうちで多いときは三回も取り替えていました。お洒落にいっさい手を抜かないひとであり、いつも唇にはルージュを、手と足の指にはマニキュアを塗っていましたね。彼女が姿を見せると辺りが華やぎ、みなが見とれてしまうほど。いわゆる“お祖母ちゃん”のイメージは当てはまらないひとでしたね。なんとなくハリウッド映画のヒロインのようでした。

 

祖母が非常に親しく付き合っていた友人はバーバラ・ハットン。ハットンはケーリー・グラントと結婚していたこともあるアメリカの億万長者で、日中からエメラルドのティアラをつけ、タンジェールの宮殿のような邸宅で暮らしていました。祖母は作家、ハリウッドスター、クチュリエ――そのなかにはクリスチャン・ディオールも――このような人びとに囲まれ、世間一般とはまったく異なる世界に暮らしていました。ジェットセッターの典型のようなひとだったのです。



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