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スイス時計らしい“クラシックスタイル”を追求

スイスの時計業界にはスマートウォッチをいまの高級機械式腕時計の繁栄を脅かす“黒船”として警戒する声も実は少なくない。いまから40年ほど前の1970年代、スイスの時計産業は日本製クォーツで壊滅的な状態になった。ケタ違いの精度と先進のイメージのクォーツ時計が市場を席巻。時計工場は続々と閉鎖され、時計師たちの多くが職を失ったのだ。あの悪夢の二の舞いは避けたいというおもいから、各ブランドがさまざまな動きをしている。


なかでももっとも積極的な動きを見せたのが、機械式時計の心臓部、ゼンマイを巻くと拍動する心臓のように動くテンプと脱進機部分を文字盤側から見て楽しめるようにした“ハートビート”機構で人気のマニュファクチュールブランド「フレデリック・コンスタント」だ。


3月のApple Watchの製品発売。発表に先駆けて2月末に日本を含む世界で記者発表会を開催。すばらしいのは、デザインとその中身のムーブメントの独自性だ。


外観は、Apple Watchをはじめとするエレクトロニクスブランドのスマートウォッチとはまったく違う、液晶ディスプレーを一切排除し、見た目はクラシックなスイス時計そのもの。そして内蔵のムーブメントもシリコンバレーのフルパワー社と共同で新開発し、同社と合弁で設立したMMT社で製造するオリジナル、つまりマニュファクチュール・ムーブメントを使用している。しかも、バッテリーは一般的なクォーツ時計に引けを取らない。また、2年以上持続し、世界で8割以上の市場シェアをもつAndroidスマートフォンとiPhone(iOS)の両方と接続でき、機能も時刻修正にくわえて活動量と睡眠量を記録する機能をメインに据えるなど、おもい切って絞り込んでいる。



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