ロンジンが過去に製作して来たタイムピース達は、ビンテージ市場において特別に高い評価を受けているものが多く、時代を越えてコレクター達を熱狂させて来ましたが、そんなマスターピース達を現代のロンジンの揺るぎのない哲学を持って現代に再現したヘリテージコレクションが、とりわけディープなウォッチファン達を中心に好評価を集めるのは、当然の事なのかも知れません。
この度登場となったアビゲーションの新作は、1950年代にイギリス軍に納品したとされるパイロットウォッチを再現したもの。
当時のイギリス軍のパイロットウォッチと言えば、マークXIと呼ばれるインターナショナルやジャガールクルトが製作したモデルが有名ですが、これより大径の44ミリ径で、より手の込んだ作りを持っていたロンジンによるパイロットウォッチは、より希少なものとして珍重されてきました。
今回のモデル名、アビゲーションは、アビエーション(航空)と1920年代に発明されたナビゲーションシステムを指すサビゲーションを組み合わせた造語として考案されたもの。
オリジナルと同じ44ミリの大径のケース内には、ムーブメントを磁気や衝撃から保護する目的で備えられた軟鉄製インナーケースまで再現されています。
そのオリジナルを再現した軍用らしい精悍なデザインのブラック文字盤は、現代的で高い質感を持つポリッシュドラッカー仕上げで、ホワイトとレッドのプリント・インデックスと、フレームをロジウム加工された夜光針と共に非常に高い視認性を与えられています。
また3時位置に備えるデイト表示は、自動巻ムーブメントと共に、実用性を決して犠牲にしないという、現代のロンジンらしい発想によるもの。
英国政府の管理品の証であるブロードアローまで再現されている点も注目に値するのではないでしょうか。 |