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日本の時計市場の未来は、明るいのか?

あらゆる者が、強みによって報酬を手にする。弱みによってではない。したがって、常に最初に問うべきは、「われわれの強みは何か」である━━今さらの観もあるけれど、P.F.ドラッカーの名言を引用してみた。これって、ここ数年の時計業界の動きに、ピッタリと当てはまるのでは、と思ったから。


猫も杓子もトゥールビヨンやハイコンプリケーションと、デカくて厚いガジェット系の時計が氾濫した時代もあったっけ。ドラッカーは「凝りすぎたイノベーションはほとんど確実に失敗する」とも説いている。なるほどの金言。リーマン・ショックを契機に、多くのブランドが原点回帰したのは、「われわれの強みは何か」を、精査した帰結なのだろう。各社のCEOが、新作発表会場で、あるいはインタヴューで、「ブランドの歴史を紐解いて」とか「得意とする機構を再構築して」とのセリフをたびたび口にしたのが、その証し。

 



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