ヴァシュロン・コンスタンタンは、「ヒストリーク」コレクションにおいて、およそ20年に渡り、ブランドの技術遺産や美的デザインの遺産を語る数々のアイコンウォッチを新たに甦らせてきました。伝説の時計に現代的なアレンジを加えたモデルによって構成されるコレクションは、製造数を控え、稀少モデルの収集家やヴィンテージウォッチの愛好家を魅了すべく入念な配慮がなされています。そうしたアーカイブの中でもとりわけファンの垂涎の的となっているは、オリジナルが狂騒の20年代にアメリカ市場向けに創作され、それにちなんで「アメリカン1921」と名付けられたモデルです。アバンギャルドなクッション型ケースを採用するこの時計の際立った特徴は、斜め表示の文字盤とオフセンターのリュウズです。そして今回は、この伝説のモデルにとって初となる、36.5mmにダウンサイジングしたケースを採用しています。
大胆な表情と快適な着け心地
時刻が読み取れる時計。それこそがまさに「アメリカン1921」の歴史的な特徴であり、非常に実用的な点です。1920年代にヴァシュロン・コンスタンタンが斜めにセットされた文字盤を考案したのは、自動車に情熱を傾けるアメリカ人顧客の要望に応えるためでした。この際立ってユニークな時刻表示は、ムーブメントを反時計回りに45度回転させることによって実現されました。それにともなってリュウズはケースの1時と2時の間に、スモールセコンドの表示も4時と5時の間へと移動しました。このような配置による大胆なデザインに相対して、粒子の細かいシルバートーンが控えめな気品を演出する文字盤や、文字盤を彩るブラックで印字されたアラビア数字とミニッツトラック、18Kゴールドを黒く酸化させた細身のブレゲ針、スモールセコンドの繊細なバトン型針が、その印象を和らげます。つまり、腕で奇抜な個性と優雅な気品とが同時に表現できるのです。 |