2017年のジラール・ペルゴの主要トピックスとして挙げられるのは、何と言っても「ロレアート」コレクションが復活だろう。昨年、同ブランドの創立225周年を記念する限定モデルとして、「ロレアート」が高級時計の世界に蘇ったことを皮切りに、ついに「ロレアート」がその真価にふさわしいスペックと哲学を持って表舞台へと登場した。時代を超えて受け継がれる真の「アイコン」の条件と言えば、普遍的かつ高度でユニークなデザイン、ディテールへの繊細なこだわり、優れた計時機能を自然な形で融合していることだろう。今回の「ロレアート」コレクションには、この「アイコン」の条件をしっかりと満たしている。
「Nomen est Omen」とは、ラテン語で「名は体を表す」という意味で、これほどジラール・ペルゴの「ロレアート」にフィットする表現はないだろう。物語の始まりは、1970年代中期。当時、デザイン分野で根本的な変化が起こりつつあった時計業界では、スポーティーかつエレガントで、どんな場面にもマッチし、印象的な美しいディテールを持ち、ケースとブレスレットが一体化した時計という、もはや不可能ではないか、とも思える気運が高まっており、各ブランドがそれぞれ、答えを模索していた。
そんな中、ジラール・ペルゴはその答えをイタリアで見つけ、ミラノ在住の建築家に新モデルに関するリサーチを依頼。彼は、時計をひと目で印象づける部分はベゼルであるという明確な意見を持っていた。そして、円と多角形の組み合わせが理想的であると判断し、円の内側に八角形をはめ込んだベゼルをデザインしたのだ。八角形のそれぞれの角をくっきりとしたシャープな直線ではなく滑らかな曲線でつなげ、全体に鏡面仕上げを施した凸面や、凹面を持つ表面と組み合わせたのは、光の反射で装飾的な効果を出すためだと彼は言う。 |