21世紀にはいっていまだ17年という短い間で、我々の生活スタイルは過去100年分に相当する、といっても過言ではないくらい、激変した。それこそ10年ほど前でさえ、わからないことがあれば、今のようにGoogleで検索するよりも、詳しい友人や知人に聞いたり、図書館や書店で本を調べたり、と「手間」と「ヒマ」をかけて調べたものではないだろうか。
今では手元のスマホに話しかけるだけで、精度の高い情報が瞬時に表示される。便利なアプリを効果的に活用すれば、ほとんど「手間」や「ヒマ」をかけずにたいていのことはわかるようになった。そもそも液晶画面を指でタッチするだけで膨大な量の情報を画像付きでポンポン引き出せる世界になるなど、ノストラダムスの大予言や2000年問題でざわついていた当時には想像もつかなかった世界が現実となっている。
今の世の中で、「行間を楽しむ」とか「侘び・寂び」を感じるというようなことまで、「概念」としては理解していても、実感を伴って体験する、ということからは能動的に動かない限り得ることのできない遠いものになってしまった、と感じるのは筆者だけだろうか?
そんな「奥深さ」を再認識させてくれる新作がボーム&メルシエから発表された。「クリフトン ボーマティック™」だ。一見するとなんの変哲もないシンプルな顔つきのありふれた時計に見えるこのモデル、まさに「見えない」ところで徹底的に現代に生きる我々生活者のことを最優先に考え抜いた、工夫と趣向を凝らしているのだ。 |