各ブランドではミレニアルズの囲い込みに躍起になっている。1980年代から1990年代に生まれた彼らは、ステイタスとなった高級時計に対してはネガティブな印象を持っている世代というのが一般的だ。しかしこの世代を無視していては企業としての成長はあり得ない。だからこそ手練手管を使って、各ブランドはミレニアルズの琴線を刺激しようとしている。ミレニアル世代とのアプローチに積極的なブランドの筆頭がタグ・ホイヤーだろう。元々若い世代に強いウォッチブランドだが、モータースポーツやテニスに加えて近年はサッカーやサーフィンとの関係性を強めているのはその証左だ。さらにカスタムウォッチの「バンフォード ウォッチ デパートメント」とコラボレーションすることで、ファッションやストリートカルチャーとの連帯も強めている。
もはや“モノの良し悪し”だけでは評価されない時代であり、背景の物語や時計パネライコピーを買うことで生じる体験をどうアピールするかがミレニアルズ対策では重要になっている。大物経営者の退陣も増えており、大型見本市の開催も危ぶまれつつある。時計業界は新たなフェーズに入ったといえるだろう。時計業界の新時代を象徴する3本を選んだ。 |