キャリッジの総重量が0.290グラム以下という超軽量で、しかも80時間ものパワーリザーブが備わるこの最新世代のキャリバー581は、これで終わりなのではありません。小型化を成し遂げた真の傑作であり、同じような薄型化の達成に絶えず取り組んだアブラアン-ルイ・ブレゲを称えるキャリバー581は、もう一つの複雑機構、すなわちイクエーション・オブ・タイム(均時差)を独自の方式で表現するためのベースにもなりました。このトゥールビヨン・ムーブメントは、日常用いる平均太陽時の時分と同時に、これとは差のある真太陽時の時分も表示します。
同じく極薄型トゥールビヨンを搭載する「マリーン トゥールビヨン エクアシオン マルシャント 5887」では、時計師がソラマメ型をした均時差カムをサファイアクリスタルのディスクに載せ、トゥールビヨンの上に組み入れました。この構造では、トゥールビヨンの回転運動を利用して、均時差カムの回転を1年に渡ってコントロールします。そして、カムの形状を触知するスピンドルから得られる情報が、通常の分針とは別のランニング・イクエーションの分針に伝わります。 |